一釣一夕

先日、いただき物があった　伊豆諸島が産地の「くさや」
多分ムロアジ
危うく一箱いただくところであったので　丁重にお断りして3枚のみとす
車に載せる際にはラップで来るんだ上に、更にｽｰﾊﾟｰの袋で三重包装

家族の弁　
言葉なく「ゲェーー」「ゲホッゲホッ」とむせる音
あるいは「どぶ川の臭い」ちょっとかわいく「ペットショップの臭い」などなど
私は比較的　受容的な態度でのぞむ

かつて子供の頃、父親がくさやをもらって家の中で焼いていた記憶があった
臭い、古い靴下というか便所の臭いというか　くさいばかりの記憶で味の印象はない

そして数十年ぶりに　とうとう出会えた
臭いに皆、辟易するも味は知らないでないかい！
結構、楽しみにしてましたが
如何せん、外で焼くしか許可がでない：まあ当然ですな
サンマ焼くのとはわけがちがうので

昨日は夕方から一気に冷え込み
作業用の服に着替え　軍手をはいて　いざ出陣
アウトドア七輪を持ち出し　バーナーで炭火に着火！
あまりにも寒いので焼酎（薩摩の純黒　無j濾過　なんと37％）のお湯割をお供に
そうでもなきゃ　とても寒くていられません

炭火もおちつき　いよいよ　焼き始め
皮の方から焼き始め　パチパチと脂がたれると臭いがし始める
さすがに屋外なのでそれほどの強烈臭もなく　なんとなく拍子抜け
もっと　感激　絶叫するほどの　くさやを期待したのですが　ちょっと残念

ヘッドランプで照らしながらターンオーバー
皮の間から出てます　出汁が
通常の脂だと透明でジュワーとしてますが
さすが　くさや　茶色のくさや汁が出てます　きてます　匂います
そして茶色のしるを箸でつつくと　すでに液体ではなく　硬化している
これはきっとアミノ酸成分が出汁に多く　温度ですぐ変性したものと憶測
ムロアジ自体も脂分（赤味のあるとこ）が多い
だからこそ普通の干物より日持ちを良くするために発酵させて　くさやとしたのかと憶測

焼頃　食べ頃　匂い頃となる
身が結構硬く　通常の干物のようにペローッと剥がれず
箸でこそぎ落とすように身を取って　ひとくち
んっー　少し臭うが　味自体は塩味効いた干物といった感じ
家族を外に呼び出して　それぞれ　分け与えますが　
んーーーーーー　
そして誰もいなくなった

家の中にいれる許可は得られそうもない
もぅ一口と　お代わりをいうものもおらず　
寒い中　焼酎のみのみ　責任とって食べました　
責任というよりは　美味しくいただきました
少し焼きすぎの感あるも　比較的満足
赤々とする炭火の炎を見つめながら

ジャケット・軍手は車庫に置き去りにしてファブリーズ仕上げ
しっかり手を洗ったが　爪が臭う
くさいものを臭いと知りながら　なぜ人は臭いをかいでしまうのでしょう
ほれ嗅いでみよ　臭いだろと人にもかがす　人のサガ

という
くさいながらも、楽しい　
冷え込みの厳しいある夕方のくさやおやじの　ひと時


（追）あと二枚残ってるんだよなぁ